『Clair Obscur: Expedition33』だけの体験

感想
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2025年屈指のRPG『Clair Obscur: Expedition33』。
本作はフランスの「Sandfall Interactive(サンドフォール・インタラクティブ)」の処女作です。
小規模なスタジオの開発でありながら、
Golden Joystick AwardsやThe Game Awardsでゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞する名作でした。

「なんだか、評価が高いらしい。」
そういう話題性からプレイを始めても十分。
興味深い物語と中毒的なゲーム性ですっかりと魅了されます。

割り切れない物語の魅力


命が年齢で制限されてしまうという呪いの世界。
人々は理不尽なルールを強いる存在と戦っています。
しかし、それを成し遂げた者は未だいません。

主人公たちもまた、多くの先人たちと同じように、第33遠征隊として旅立ちました。

そんな世界観の中で描かれるのは、主人公たちの揺れ動く感情です。

退廃的で、刹那的で、閉じた諦め。
そして、希望を捨てず、犠牲を無駄にせず、前進しようとする意志。

半ば運命を受け入れ、過去の思い出や現在を大切にすること。
自身が犠牲になっても状況を変えようと前進すること。

主人公たちの姿を見て、「その話はよくわかる。でも…」と思ったり。
現状を受け止めようとする主人公たちを見て、「つらいよなあ。でも…」と考えたり。

「でも」が続いて、割り切れない。
どうするのが「良い」か分からないなかで、もがく。

諦めと意志の間で揺れ動き、そのどちらの姿にも強く共感させられ、
動揺を誘う物語です。

世界のルールがプレイヤーにも影響する

呪いの世界の、成功の見込みがほとんどない戦いの中で、
主人公たちの姿に、
プレイヤーである僕は確かに共感し、シンクロしていました。

それほど、物語は強力にプレイヤーを引き付けています。

しかし、物語が進み、世界のルールが明らかにされていく。
その局面に至って、主人公たちの存在がこれまでとは違う意味を持ち始めます。

それまで描かれてきた心の機微は、
主人公たちの存在ごと「儚いもの」へと変わってしまいます。

重大なネタバレになるので詳しくは述べられませんが、
今までとこれからが分かたれる大きな変化です。

呪いの世界で生きてきた主人公たちは「儚いもの」になりました。
実は、それと同時に、プレイヤーの存在のよりどころもなくなってしまいます。

呪いの世界と主人公たちの関係の変化が
ゲーム自体とプレイヤーの関係にも疑問を呈してきます。

「今までのプレイ体験は、本物ですか?」と。

体験として残ったもの


大丈夫です。
それまでの体験は意味のないものだった、ということにはならなかった。

プレイヤーとして感じたものは確かに自分の内面や身体に残っていました。
虚構の世界での行動が、心や身体の感覚として再現される。

本作は、プレイヤーを強く引っ張っていく力を持っています。
それが共感を生みます。
そして、急転直下、存在の意味を問いかけてくる物語でした。
一緒に共感している度合いが強いほど、この問いも強烈なインパクトをプレイヤーに投げかけます。

その面白さを本作では強く感じました。

呪いの世界に対する主人公たち。
そして「Clair Obscur:Expedition33」の世界に向き合うプレイヤー。

共感を基盤にして、確かに体験したものであったと。

僕にとっては、この相似関係の構造が、見事であり、
体験の核になりました。

パリィとスキルビルドが戦闘を面白くする

本作の戦闘システムは基本的にターン制コマンドRPGです。
特徴的なのは、そこにパリィが導入されていること。

敵の攻撃に合わせてパリィを成功させると、
ダメージを受けずに、逆に反撃によって敵にダメージを与えることができます。

通常のターン制RPGでは、敵のターン中、手持ち無沙汰になりがちです。
しかし、パリィを加えることで、常にプレイヤーに操作が求められます。

その結果、戦闘に緊張感とアクション性が生まれています。

スキルシステムも独特です。

まずアクセサリーを集めます。
このアクセサリーにはステータス補強だけでなく、各々にスキルが付与されています。

そして、そのアクセサリーを装備した状態で4回戦闘に勝利すると、
装備中のキャラクターだけでなく、
パーティー全員がそのスキルを使えるようになります。

さらに各スキルにはスキルポイントが設定されており、
キャラクターの総スキルポイントの範囲内で自由にビルドを組むことができます。

つまり本作では、次の二つの要素が重要です。

  • パリィによるプレイヤースキル
  • スキルビルドによる戦略性

この二つが組み合わさることで、
自分の戦い方を最適化していく楽しさが生まれています。

強敵との戦いが生む達成感

ゲームを進めると、強敵との戦いが待っています。

苦戦する

スキル構成を見直す & 敵の攻撃パターンを理解する

勝利する

この流れが非常に気持ちよく、達成感があります。

特に印象的だったのは、無料追加コンテンツで登場するボスたちです。

強敵であるぶん報酬も魅力的で、何度も挑戦することになります。
そのなかで、スキルの組み合わせや立ち回りが最適化されていくことを実感できます。

最初は安定せず、勝ったり負けたりしていた戦闘も、
やがて3分で倒せるようになり、1分で倒せるようになる。
報酬でさらに強化し、その力で別の強敵へ挑む。

この周回プレイの楽しさも、本作は際立っていました。

作品概要


タイトル Clair Obscur: Expedition33
対応機種 PlayStation®5
ジャンル リアクティブターンベースRPG
プレイ人数 1人
CERO Z
発売日 2025年4月24日(木)
希望小売価格 7,400円(税込)
開発スタジオ Sandfall Interactive

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