【おすすめ漫画】『アイシールド21』の面白さを伝えたい!

感想

皆さんこんにちは!

今回は、僕の好きな漫画の話です!

『アイシールド21』は2002年から週刊少年ジャンプで連載されていました。原作は稲垣理一郎さん、作画は村田雄介さん。高校のアメリカンフットボール部を舞台にしたスポーツ漫画です。

はじめに、あらすじや概要の面白みを書いています。続きまして、僭越ながら名場面を2つほど紹介しています。

それでは、お楽しみください!

あらすじ

主人公は小柄で臆病な少年、小早川瀬那(セナ)。

私立、泥門(でいもん)高校の新一年生です。

彼は小学校、中学でずっとパシリをやらされていました。泥門高校に入学してもそんな生活は変わらなさそうです。

入学早々、不良から逃げるため、人混みのなかを走るセナ。

しかし、そんなセナの走りが蛭魔妖一(ヒル魔)の目に留まります。

ヒル魔はアメフト部「泥門デビルバッツ」の主将を務めていました。そして、周囲からは悪魔のような男だと恐れられています。「悪魔の男」はセナをチームに強引に引き入れてしまいました。

肝心の泥門デビルバッツはヒル魔に加え、心優しい巨漢の栗田良寛という、正部員2名だけの弱小チーム。

その中に、プロ級のスピードを持つセナが加入します。

他の部活からの引き抜きに合わないように、セナは正体を隠す必要がありました。そのため「アイシールド21」を名乗り、試合に出場することに。

無名の弱小チームでも、目標は全国大会決勝戦、通称「クリスマスボウル」への出場!

仲間を集めつつ、ライバルたちとの激戦を通してチームが成長していく姿が見どころの作品です。

アメフトのルールを知らなくても大丈夫

アメフトのルールや戦術は多くの人にとって馴染みが薄いと思われます。その中にあって、『アイシールド21』はアメフトの魅力を引き出しています。

まず、キャラクターたちの必殺技です。

視覚的な演出によって印象の残るシーンになっています。例えばセナの必殺技「デビルバットゴースト」の初披露シーンです。

「デス・マーチ」とよばれる特訓によって得たセナの走り。

相手からはセナが煙のように消えたように見えます。

このような技の存在が、漫画をよりエンターテインメント性豊かなものにしています。

他にも、『アイシールド21』は、アメフトの基本的なルールや戦術をわかりやすく解説してくれます。

例えば、ポジションごとの役割。どういう状況でどんな戦術を取るべきか、など。はたまた、ばくち打ちのような戦術。ルールの裏をかいたダマしのプレー。

読者は、アメフトのルールを学びながら、より深く物語を楽しむことができます。

試合中の見せ場や、セナたちの成長を楽しもう

試合が面白い!

試合は緊張感に満ちており、勝敗の行方がわからない展開が読者を引き込みます。

強敵を前にしたとき、泥門デビルバッツは追い込まれることが多いです。そこから逆転できるのか、またはできないのか。

セナとチームメイトたちやライバルたちのワンプレイごとに流れが揺れ動いていきます。

試合を通しての満足感が高いことも、スポーツを題材にした漫画では大切なことです。

もちろん『アイシールド21』は、満足度まんてんです!

成長物語として

セナは最初、アメフトの知識も経験もない普通の新高校生から始まります。

しかし、チームメイトやコーチ、ライバルとの出会いを通じて、心身ともに成長していきます。

セナの成長物語は、努力と忍耐の大切さ、仲間との絆、そして自分自身と向き合うことの重要性を描いています。

勝つためにどうやって自分の強みを活かすか。チーム全員の努力と工夫がどれほど重要か強調されます。

緊張感のある試合展開に、メンバーたちの努力と想いが絡まっていきます。

それがまた感動を呼ぶ展開になっています。

ヒル魔の「面白ぇから」

ここからは、お気に入り名場面を語らせてください!

一つ目はこちらです

キャラについて

金剛阿含

ドレッドヘアにサングラス

神龍寺ナーガ所属

女好き、悪逆、横暴、ただし天才。人間の極限である反射神経をもつ

セナから「最強の悪」と呼ばれる

ヒル魔(蛭魔妖一)

金髪にピアス

泥門デビルバッツの司令塔

悪魔のようで目をつけられたら最後、骨までしゃぶりつくされる

情報処理能力、状況判断力に長け、トリッキーな戦術でチームを導く

虚を突かれる「面白ぇから」

本編中で、二人のキャラ付けが丁寧に行われてきました。

阿含の凶暴さや、ヒル魔の狡猾さがつよく印象付けられています。

二人の対面は、別々の「ダークヒーロー」が思いがけず邂逅するシーンのよう。

それだけでも何が起きるかワクワクします!

そこで、阿含の答えは「まさに」といった印象。

一方で、ヒル魔の答えは虚を突かれました。

語弊を恐れずに言いましょう。

アメフトの試合がどれほどシリアスで熱くても。

時には勝利に向かって全身全霊をかけて戦っていても。

それが「遊び」であるということを再認識させてくれる。

そんな一言でした。

「東日本最強のチーム」である神龍寺ナーガとエースである阿含。

試合に向けて徐々に緊張感と畏怖が高まっていく展開の中でヒル魔が言う「面白いからやる」というのは、アメフトに対する愛情の表れでもあります。

スポーツや物語、人生そのものを楽しむためには、あまりにも重く考えすぎず、時には軽やかな気持ちで向き合うことが大切だというメッセージが込められている気がします。

阿含のサングラス

「面白ぇから」発言を聞いた阿含のサングラスが象徴的です。

サングラスの中にはヒル魔が黒く塗りつぶされています。

阿含にとってヒル魔の答えは得体のしれないものでした。

圧倒的天才である自負と独善的な性格によって、「チームメンバーとの関り」や「面白さ」は得体のしれないものに感じているのでしょう。

サングラスの向こうの阿含の目は、読者には見えません。

両チームの激突がどうなるのか!

試合へのボルテージは上がっていきます。

栗田の覚醒

続いての名場面はこちらです

キャラについて

峨王力哉

人並外れた巨体で、高校最強の筋力をもつ

白秋ダイナソーズ所属

力を振るいたいという衝動を持ちつつも、アメフトのルールに則る冷静さを持つ。認めた相手には敬意を示す。「勝利だけを貪る冷静な怪物」

栗田(栗田良寛)

重い体重と、パワーが持ち味。栗のような髪型がトレードマーク。

泥門デビルバッツのセンターライン

面倒見のよい、優しい性格。一方で少し引っ込み思案。

ここに至るまでの展開が熱さを演出する

ダークホースとして登場した「白秋ダイナソーズ」。そのチームの主力である峨王のキャラクターが描かれてきます。

その展開がすごい!

泥門デビルバッツのライバルとして描かれてきた「西部ワイルドガンマンズ」という強豪チームがあります。

トーナメント戦では先に、「白秋ダイナソーズVS西部ワイルドガンマンズ」の試合が行われました。

試合内容については詳しくは触れませんが、ライバルチームは衝撃的な敗北に喫します。

この試合自体も、見ごたえのあるものになっていますので、ぜひ直接皆さんに読んでいただきたいです!

ついに始まる対白秋ダイナソーズ戦

ヒル魔は大丈夫だろうか、栗田は大丈夫だろうか、

という不安が最高潮に達した状態で試合が始まることになります。

実際の試合はどうなるかというと。

栗田の特訓によって、善戦となりました。

もしかしたら、このまま。

当初の不安や緊張感もあって、読者は胸をなでおろすことになります。

その一瞬の弛緩を、敵は、見逃しません。

この、読者の身体的な感情の起伏まで作り出す展開は本当にうまい!

さて、強烈な一撃によって栗田は意気消沈してしまいます。

優しい性格で、強く自己責任を感じてしまう栗田。

栗田を支えるためにも、奮闘するデビルバッツのメンバーたち。

ですが、どうしてもパワーが不足しています。

このままでは最悪の想定も頭をよぎる中で、栗田の覚醒の時を迎えます。

 

復讐心などではなく護る為の殺意。

あの優しい、穏やかな栗田による「破壊する」という闘争心。

ここから、泥門デビルバッツの反撃が始まる!

よいところですが、こちらの名場面紹介はここまでで!

おわり

今回は、『アイシールド21』の話でした。

緊張感ある試合展開、チームメンバー一人一人の強みの魅せ方、努力と成長の姿、などなど。本作は、たくさんの魅力が詰まった作品です!

そのなかでも、今回はキャラクターの魅せ方のうまさにフォーカスしてみました。

ヒル魔にしろ、栗田にしろ、ギャップが演出されているのだと思います。それがキャラクターの深さになっています。

そして、それが試合パートの面白さに持ち込まれてくる。

面白さの一部。こういうキャラクターを使って表現するギャップが面白い。試合の中に持ち込んでくるのがうまい。

これこそが、『アイシールド21』の最大の面白さです!

それでは、今回はここまで。お読みいただきありがとうございました。

書誌情報

原作     稲垣理一郎  作画 村田雄介『アイシールド21』全37巻、集英社、ジャンプコミックス

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