【クリア感想】『真・三國無双ORIZINS』―シリーズの挽回を果たした名作―

感想

皆さんこんにちは!

今回は『真・三國無双ORIZINS』をクリアしたので、感想記事を書いています!

本作は、三国志の物語を新たに描きなおしたタクティカルアクションゲームです。

前作『真・三國無双8』はシリーズ初のオープンワールド化を試みた意欲作でした。

広大な中国を舞台にキャラクターが駆け巡る。面白いアイディアでしたが、ふたを開けてみると内容が薄くなってしまい評価は決して高いものではありませんでした。

その流れで『真・三國無双ORIZINS』は、「オリジン」と銘打って、前作『真・三國無双8』の反省点を活かし、爽快感を持った無双アクションに戦術要素を加えた新たな無双作品です。

無双シリーズとして挽回を計りたい本作。プレイして感じた魅力を、実際のプレイ経験を元にご紹介します。

結論として

  • 名作です。面白く、人におすすめできる作品です。この路線での続編も希望しています!
  • アクションの難しさは抑えめだが、楽しめる要素はしっかりと落とし込まれていました。
  • 大軍勢の中で敵を切り捨てる楽しさは圧倒的にパワーアップしています。新規のプレイヤーも無双の面白さを感じることができると思います。
  • 従来シリーズよりストーリーの描写が濃くなっており、主にキャラクターの個性や関係性が描かれます。
  • 戦略」という試みは少しだけ物足りなさがありました。

詳しくは本章で書いています。それでは、お楽しみください!

プレイ状況

  • 蜀ルート真エンドまで約33時間
  • 難易度 乱世を往く者(ノーマル)

アクション面について

無双ゲーとして

PS5のパワーを活かした三國無双シリーズです。

大軍勢同士のぶつかり合いはこのゲームでしか経験できないものになっています。「突撃ぃ―!」という胸の高鳴りを経験するために本作を手に取るのも大いに「あり」です。

本作の最大の魅力は、数百人もの敵軍勢との戦闘で、圧倒的な力を持つ主人公を操る爽快感にあります。しかし、リスクも存在します。例えば、大軍勢に突っ込むと、一気に敵に囲まれて吹き飛ばされることも。これを乗り越えるには戦術的なプレイが求められます

味方との足並みをそろえたり、敵の戦術を潰しつつ味方の戦術を通したり。少しずつ敵の軍団を削っていくイメージで戦っていきます。

その過程で、ゲームがときどき重くなるのが気になりましたが、高頻度で起きるわけではありません。おおむね、スムーズで楽しい体験になっています。

「随行武将」というプレアブルキャラクターが用意されています。味方武将にチェンジして操作することができるシステムです。

関羽や張飛といった有名な武将の無双乱舞は強力で、撃破数が一気に増えて、演出も相まって、とても気持ちいいです。

総じて、大軍団との戦闘で数百人を相手に圧倒的な力で戦う爽快感は、他のアクションゲームにはない魅力です。

外功削りゲーとして

本作は従来の無双シリーズに比べて、アクション性が強化されています。戦術的な戦いが必要になります。

「外功」とは敵武将のスタミナのようなものです。外功を削り切れば敵武将はスタンして大ダメージを与えるチャンスができます。ひとつひとつダメージを蓄積していき、スタンしたら一気に攻める。これが基本的なスタンスになります。

加えて、ジャストガードとジャスト回避、発勁というカウンター攻撃の三つの選択肢があります。敵武将の攻撃はスーパーアーマー状態で、一度発動するとひるまずに攻撃が飛んできます。それに対応して三つの選択肢から適切な対応を取らなければなりません。

こうやって書いてみると、難しそうかもしれません。

しかし、アクションが苦手でも十分対応が可能なぐらいタイミングは緩いです。いわゆる「パリィ」を狙うゲームがへたくそな僕ですが、ジャストガードやカウンターが決まるので、とても楽しいです。アクションゲームは不安だなと思う方でも、本作なら大丈夫!

難易度を上げればタイミングもシビアになりますので、アクションが得意な人でもやりごたえが出ると思います。

戦場では、敵の武将との一騎打ちが起きるのも面白いです。一対一でアクションに集中して楽しめます。

基本的な攻撃は□と△の組み合わせや△長押しなど。回避やガードと組み合わせでの攻撃もあります。武器ごとにアクションが異なるが、操作のパターン自体は似ています。あとは必殺技である武芸を駆使していくことで、自分の得意なコンボを習得していく楽しみがあります。

コラム記事 バーサス呂布

意気揚々とプレイを進めていき、操作にも慣れて、なんだか自分がうまくなった気分になってくる。

そんな時にプレイヤーの前に立ちはだかるのが、最強と名高い呂布!

最初の出会いからして不穏でした。味方武将からとにかく逃げろと言われます。

BGMも変わりました。しかも、呂布が近づくほどにBGMの音量が大きくなります。呂布が近づいてくるほどに、姿が見えなくても、気配を感じることになります。軽くトラウマです。

そんな呂布ですが、ついに直接対決におよぶと難易度が非常に上がります。

難しい。

味方武将が次々とやられていきます。

心細い。

ここでは、しっかりと呂布のモーションを覚えて対応していかないとすぐにやられてしまいます。いわゆる「死にゲー」になってしまいました。

アクションが得意ではない僕がどうやって呂布を突破したのか。

まずは、レベルを上げました。本作はレベルが上がることで、HP・攻撃力・防御力が強化可能です。

装飾品も攻撃と防御をあげつつ、回復アイテムをふんだんにつかって。

あとは、YouTubeで呂布の動きに慣れるように動画をみました。

ジャストガードのタイミングがうまくはまると一気に体力を削れるのですが、基本は避けた後に攻撃です。

最後の最後は無双ゲージを消費して、「覚醒」モードで押し切ってからくも勝利できました。

戦略性 結局移動が大変

拠点を攻略したり、軍略を成功させたり、敵の軍略をくじいたり。

敵の総大将を取るまでに戦略的な目的があり、目的の成否によって士気が変動しています。

士気の高まりによって、敵味方の武将の強さも変わってくる

これが本作の特徴です。

ただし。

フィールドに出る前には、「軍議」で目標の確認が行われます。その際に、主人公はおおむね「全体を見つつ適宜動いてくれ」と言われるだけの場合が多いです。

いざ、合戦に出ると味方から救援要請が飛び込んできます。結局戦場のあちこちを移動してお手伝いする必要があります。

もう少し、味方の配置まで考えて、戦線を任せられるようになるとよかったかもしれません。

コラム記事 馬移動中の〇連打

救援を求めている味方を助けるために駆け付けた主人公。急いで敵武将を撃破します。

「ふー、やれやれ」「さて、次に移動だ!」

愛馬を呼び出して……からの、無双乱舞!

誰もいない虚空に向かって必殺技を放つ主人公。

フィールドを駆け巡るために欠かせない相棒が馬です。

乗馬中に〇ボタンで馬を励ますことができます。

とりあえず乗馬中は〇ボタンを連打する癖がついています。

しかし、通常状態の〇ボタンは無双乱舞を発動します。

愛馬を呼び出して馬に乗ったつもりなのですが、上手く入力ができていなかったとき。

手癖で馬を励まそうと〇ボタンを押すと無双乱舞が暴発してしまうのでした。

ストーリー 三国志の世界を味わう

主人公は記憶を失い、自分が何者かわからなくなってしまった武芸者。なぜだか分からないが大変腕が立ちます。本作オリジナルの主人公です。彼が魏・呉・蜀の三国に関わってきます。主人公の正体や過去は本編で少しずつ明らかにされていきます。

ストーリーは、黄巾の乱から赤壁の戦いまで。

本作ではキャラクターたちの個性や関係性が重視されており、加えて物語の主要なエピソードもきちんと盛り込まれています。これで三国志の物語を存分に楽しめます。一方で、政治的な要素や人物の内面に深く踏み込んだ描写は控えめです。

そこはバトルやキャラクターの魅力を楽しむことがメインとなるゲームになっていると思います。

コラム 諸葛亮の人間味を感じる

とはいえ、諸葛亮の登場には胸が熱くなりました。

劉備が諸葛亮の庵を三度、自ら訪れて蜀の陣営に招いた「三顧の礼」も描かれています。

劉備は己の進むべき道を迷い、蜀陣営は強力な武将の力によってなんとか保っていました。

武力は立つが、大志と知略が劣っている状態。そのなかで、満を持して諸葛亮が登場します。

その後の二人の会話、劉備と諸葛亮の出会いは、特に感動的でした。二人の間に芽生える信頼関係が描かれ、三国志の中でも特に大きなテーマである「義」の部分をしっかりと表現していたと思います。

ただそれだけではありません。

諸葛亮が蜀陣営で初陣を迎えた後。

あの自信満々の諸葛亮のちょっと気弱で無理をしていたところが描かれています。一気に親しみやすい存在に。彼の戦いの中での気弱さと強さのバランスが、良いキャラクターになっていました。

育成 一本道だが、手軽に楽しめる

いくつか育成要素があります。

宝玉、武芸、武器習熟、主人公のレベル、スキルツリー、馬。

これらは総じて使い込みや単純に収集することで育成できます。

武器を使い込んでいくことで武器ごとのレベルが上がり、同時に主人公のレベルも上がっていきます。

スキルツリーがあるもののほぼ一本道です。自分好みにキャラクターを育てるビルド要素はありません。

武器には多少のビルド要素があり、スキルの付け替え厳選が可能ですが、これは一回エンディングを見た後に開放される要素になっています。

武器の選択によっては戦闘スタイルが変わるため、プレイヤーがどの武器を使うかが重要になります。しかし、武器の習熟度のレベルが総じて、主人公のレベルとなるため、満遍なく武器を使った方が効率よく主人公の強化につながります。

本作はプレイヤーごとにゲーム体験が違ってくるようなアクションゲームではありません

逆に、遊びの敷居が下がるので、ビルドを考えるのが苦手だったり、面倒だったりする人でも手軽に戦闘スタイルの変化が楽しめます

総評

総じて『真・三國無双ORIZINS』は無双シリーズの魅力を今まで以上に楽しめる作品です。大軍との戦闘や無双アクションの爽快感を味わいながら、戦略的な要素も加わっています。これは本作でしか味わえない魅力でした。

三国志のストーリーを丁寧に追いながら、キャラクターの個性や関係性を強調されていて、ここから三国志の世界に入るのもぴったり。

しかし、戦場での移動が少し面倒に感じることもあり、自由な動きが求められる場面でのストレスもあります。

無双派生作品のなかでも、ファイアーエムブレム無双では、相性を考えて味方武将に対応してもらうこともできましたが、本作ではプレイヤーが敵将に対応する必要があります。

それでも、アクションが苦手な方でも十分楽しめるバランスが取れており、無双シリーズ初心者にもおすすめです。育成も単純でありつつも、確実にキャラクターが強くなっていくので、対呂布戦で詰まったとしてもレベルを上げれば対応可能です。

結果として大変楽しめる名作になっています。おすすめです。

基本情報

真・三國無双ORIZINS

対応機種 PlayStation5 / Xbox Series X|S / Steam

発売日   2025年1月17日

ジャンル タクティカルアクション

CERO    B

メーカー (株)コーエーテクモゲームス

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